妻名義のクレジットカードで夫名義のふるさと納税の可否。楽天・ふるさとチョイス・Yahoo!の対応の違いとその理由

先日、「楽天でふるさと納税を行う場合、妻名義のクレジットカードで夫のふるさと納税を行えるのか」という主旨の質問を受けました。

既に、コメント欄から、「楽天では不可」との回答はお返ししていますが、結論だけではあまりに不親切なので、今回の記事でその理由を解説します。

更に、ふるさとチョイス・Yahoo!ふるさと納税では、楽天とは違った対応をとっています。
それぞれの対応と、対応が異なる理由(各サイトの考え方)についてもご紹介します。

後に進むにつれ、話が複雑になっていきます。
できるだけ簡潔にまとめたかったのですが、5,000字を超してしまいました。
途中で読むのが苦痛になってしまった場合は、最後の結論だけでもご確認ください。

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楽天市場の場合

まずは、ご質問いただいた楽天の場合です。

楽天市場でのふるさと納税の場合は、妻名義のクレジットカードを利用した夫のふるさと納税はできません

注文確定のボタンを押すことはできますが、その後キャンセルされる旨が、楽天ふるさと納税のご利用についてで明記されています。

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ふるさとチョイスの場合

ふるさと納税ポータルサイト大手「ふるさとチョイス」の場合は、妻名義のクレジットカードで夫のふるさと納税は不可としています。

同サイト内のよくある質問のページで、寄附金控除を受ける者とクレジットカード決済者が同一である必要があると答えています。
更に、寄附の申込書とクレジットカード決済者が同一でない場合は、原則「寄付金税額控除申告書」が無効となってしまうという旨の記載があります。

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 Yahoo!ふるさと納税の場合

Yahoo!公金支払いは、上記2社とは違う対応をとっており、基本的には、妻名義のクレジットカードでの夫のふるさと納税の支払いも可能としています。

ただし、自治体によっては、寄付者本人名義のカード支払いが推奨されているため、詳細については各自治体に問合せるように、との記載がふるさと納税についてのよくある質問のページにあります。

yahoo

ふるさと納税ポータルサイトの対応の違いまとめ

特産品 税金控除
楽天 届かない(返金される)
ふるさとチョイス 届く されない(無効)
Yahoo! 届く される(有効)

楽天の場合は、寄附の申し込み自体がキャンセルされるため、お金は返ってきますが、特産品も届きません。
寄附自体がなかった扱いになります。

ふるさとチョイスの場合は、寄附の申し込み自体はそのまま受け付けるため、寄附のお礼(特産品)は届きます。
ただし、寄付金控除の対象にはならない、と説明しています。
よって、所得税・住民税からの控除はありません。

ヤフーの場合は、別人名義のクレジットカードによる寄附も、税金の控除の対象になるとしています。
ただし、自治体によっては、クレジットカードは本人名義を推奨しているとの但し書きがあります。

ふるさとチョイスとヤフーの見解の違い

ふるさとチョイスとヤフーは、下した結論が正反対です。

  • ふるさとチョイス・・・別人名義のクレジットカードによる ふるさと納税では、寄付金控除の対象にはならない
  • ヤフー・・・別人名義のクレジットカードによる ふるさと納税でも、寄付金控除の対象になる

※注※
ふるさとチョイスでは、正確には、「クレジットカードの決済者」の名義が寄附の申込者と異なる場合がNGとしています。
よって、妻名義のクレジットカードであっても、利用代金の引き落とし口座が夫の口座であればOKということになります。
逆に、夫のふるさと納税を夫が夫名義のクレジットカードで手続きした場合であっても、その引落口座が妻の口座であれば、NGと理解できます。
これに関しては、最後に解説を加えます。

以下、妻名義のクレジットカードで引き落とし口座も妻の名義であるという前提で話を進めます。


これが事実だとすると、全く同じ行為(妻名義のクレジットカードによる夫のふるさと納税)が、ふるさとチョイス経由では寄付金控除の対象にならず、ヤフー経由では控除されるということになります。

しかし、控除対象かどうかは、最終的には国が決めることです。
よって、同じ行為であれば結論は同じになるはずです。

総務省の見解

国税庁のホームページでは該当する箇所がなかったため、総務省のホームページを探してみました。
直接クレジットカードの名義に関してではないものの、それらしき回答が総務省のふるさと納税ポータルサイト内よくある質問のページにありました。

soumusyou

なるほど。
なんとなく、混乱の原因が見えたように思います。

総務省は、

  1. 寄付金控除を受けるためには、納税者本人がふるさと納税を行う
  2. ふるさと納税を行う名義も本人である必要がある

と言っています。

要は、総務省の回答は、この問題を考える上で必要な

  1. 寄付行為(ふるさと納税)を行う者
  2. ふるさと納税の名義
  3. クレジットカードの名義

の内、1と2にしか触れていないわけです。

総務省の回答
寄付行為(ふるさと納税)を行う者 本人
ふるさと納税の名義 本人
クレジットカードの名義

そのことを踏まえた上で、本当に妻の名義のクレジットカードを利用できるか考えていきます。

まず、1によって、妻が夫のふるさと納税を代行してしまうとアウトです。
面倒でも納税者である夫本人が行う必要があります。

では、

  • ふるさと納税を実際に行った人・・・夫
  • ふるさと納税の名義・・・夫
  • 利用したカードの名義・・・妻

であったという場合はどうでしょうか。
総務省の回答から考えると、特に問題ないようにも思います。

ただし、クレジットカードは、規約において本人以外の使用が禁じられています

よって、規約どおりにクレジットカードを利用している限りにおいて、夫が自分でふるさと納税を行うにもかかわらず、決済に妻のクレジットカードを利用することはありえないということになります。

ヤフーが間違っていると言うこと?

では、ヤフーが間違っているのかというと、実務上は、必ずしもそうとは言えません。

えええ・・・、との声が聞こえてくる気がしますが、もう少々お付き合いください。

夫がわざわざ妻のクレジットカードを利用してふるさと納税するというのは、実際にはあまり考えられない頭の体操的なお話ですので、実際に一番よくあるであろう「妻が夫の名義を使用してふるさと納税をした(決済には妻のクレジットカードを利用)」というパターンに立ち戻って考えて見ます。
これは総務省が「ダメよ」と言っているので本来はルール違反です。

しかし、自治体が、税務署に申告する情報の中に、「決済者」の項目がないそうです。

申告する必要がないものをわざわざ自治体がチェックするとは考えにくいです。
よって、実務上、ほとんどの自治体では「夫のふるさと納税に妻の名義のクレジットカードが使用されているかどうかはノーチェック」というのが実情でしょう。

このあたりは、ソラさんのブログで紹介してありました。
転勤族妻の節約ノート。 【失敗】ふるさと納税 クレジットカード支払い

他にも、実際には妻名義のクレジットカードでも問題がなかったとの報告はネット上にあふれています。

自治体はクレジットカードの名義をチェックしていないので、妻名義のクレジットカードを利用していても問題なく控除が受けられると言うことになります。
「ただし、中には、総務省の見解を踏まえてちゃんとチェックしている自治体もあるはずなので、気になる場合は、自治体に確認してね」というのが、ヤフーの言いたいことだと思います。

ただし、これらの運用は総務省の通達しだいで変更される可能性があります。
去年はOKでも今年はダメかもしれません。

自治体からクレジットカードの名義が違うのでダメですよ、と言われてしまえば、総務省の見解どおりなので反論の余地がありません。
本人名義のクレジットカード決済をおすすめいたします。

楽天が別人名義のクレジットカード決済のふるさと納税をキャンセルする理由

こうなると、楽天がクレジットカード名義と異なるふるさと納税の申し込みをキャンセルする理由も見えてきますね。

別人名義のクレジットカードによるふるさと納税を受け付けておいて後から「やっぱり控除の対象外でした」となるとクレームが入る可能性があります。

キャンセル分の売上げ(寄付)は減少しますが、総務省の見解に沿いつつ、顧客の利益も守り、クレームのリスクを減らし、コンプライアンス意識の高さもアピールできる、なかなかうまい手だと思います。

ふるさとチョイスが「決済者」の表現にこだわっていた理由

一般的には、クレジットカードの利用代金の引落口座は、そのカードの名義人の銀行口座に設定されています。
よって、ここまで、話を単純化させるために、「クレジットカードの名義人」=「クレジットカード代金の引落口座の名義人(=クレジットカードの決済者)」という前提で話を続けてきました。

しかし、中には、カード名義人以外の口座を指定できるカードもあります。

そして、ふるさとチョイスで問題視していたのは、実は「クレジットカードの名義人」ではなく、「クレジットカードの決済口座の名義人」なのです。
以下にふるさとチョイスのQ&Aを再掲しますのでご確認ください。

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私見ではありますが、これは、ふるさと納税で控除を受ける人とカード代金の引落口座の名義人が異なる場合に、「決済者からふるさと納税名義人への贈与」とみなされる可能性を考慮した結果だと思います。

贈与であれば、総務省の「納税者本人がふるさと納税を行う必要があります」という要件にひっかかるおそれがあります。
その場合は、ふるさと納税の要件に反するため、ふるさと納税が無効になります。
これが、ふるさとチョイスが想定していることだと考えています。

soumusyou

総務省の見解(再掲)

ただし、贈与であったとしても、総務省が要求する「納税者本人がふるさと納税を行う」という文言が手続き面を本人が行うことを要求しているだけで、決済者(納税資金の出所)は問わないという可能性もあります。

このあたりは、税務署に確認しなければ確実なことは言えません。

おまけ 贈与税について

贈与税についても簡単に言及しておきます。

理論的には、妻名義の口座で決済された夫のふるさと納税は無効であったとしても、現状はおそらくそのまま夫のふるさと納税として有効に通ってしまいます。
通ってしまった後、それが発覚した場合、贈与税が発生するかどうかについてです。
このあたりは専門家ではないので多分に私見を交えています。

気になる方は専門家にご相談ください。

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかります。
ただし、贈与であっても、その財産の性質や贈与の目的などからみて、贈与税がかからない場合もあります。
たとえば、贈与者・受贈者の関係が夫婦や親子・兄弟姉妹等の扶養義務がある間柄である場合は、以下の場合に贈与税がかからないことになっています。

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

国税庁>ホーム>税について調べる>タックスアンサー>贈与税>贈与と税金>No.4405 贈与税がかからない場合

通常の税金の支払いであれば、夫名義の税金を妻が払ったとしても間違いなく「その人にとって通常の日常生活に必要な費用」です。
しかし、ふるさと納税は寄附ですから、税金の控除のための寄付だとしても、その支出が生活費に含まれるかと言われるとそうは考えない人もいるでしょう。
最終的な判断は税務署が行います

ちなみに、この行為が贈与税の対象であると判断された場合であっても、贈与税は基礎控除が110万円ありますから、1年間の贈与額の合計が110万を超えない場合は非課税です。
夫のふるさと納税の決済が妻の口座によるものであったとしても、基礎控除の範囲内であれば、贈与税の心配をする必要はありません。

ただし、110万円を超える場合は、課税される可能性があります。
確かに、クレジットカードの名義人やその決済者は税務署には報告されませんが、その気になれば税務署は税務調査の権限がありますから調べることができます。

この場合は、無申告でいると追徴課税のおそれもありますから、税理士等の専門家、またはお近くの税務署にご相談・ご確認ください。

結論

本人名義・本人が決済者であるクレジットカードを使用したふるさと納税を推奨します。

夫名義のふるさと納税において、

  • 妻名義のクレジットカード(決済者を問わず)を使用した場合
  • 妻が決済者となっているクレジットカードを使用してしまっていた場合

はかなり黒に近いグレーゾーンです。

ただし、いずれの場合も、「現状のところ」大抵は何の問題もなく所得税・住民税が控除されています。
しかし、自治体等のチェックが入って、「名義・決済口座が違えば控除対象外です」と言われてしまった場合は、諦めたほうが良いでしょう。
昨年まではOKだったとしても、通達等により運用が厳しくなる可能性もあります。

夫名義のふるさと納税の決済口座が妻である場合は、贈与とみなされる可能性があります。
他の贈与との合計額が年間110万円を超えてしまった場合は税務署等に相談して判断を仰ぐ必要があります。
無申告が発覚すると無申告加算税、延滞税も発生します。

以上です。
参考になれば幸いです。

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妻名義のクレジットカードで夫名義のふるさと納税の可否。楽天・ふるさとチョイス・Yahoo!の対応の違いとその理由」への2件のフィードバック

  1. 北原 靖三

    ふるさとチョイスは決済をYahoo!公金支払いに誘導するので寄付はしたが、是烏嶽控除を受けられないということがあるのですか?

  2. みかん雪 投稿作成者

    こんにちは。

    Yahoo!公金支払いからのふるさと納税自体はなんの問題もありません。
    通常通り、適切な手続きさえすれば控除を受けられます。

    ただし、決済に本人名義以外のクレジットカードを使用した場合は、グレーゾーンです。
    その場合、実際に控除が受けられるかどうかは、現状では自治体次第のようです。

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