気づけば夏休みも終わり、新学期が始まりました。
来年新入学の子供たちのランドセル選びも、そろそろピークを越した頃でしょうか。
我が家では、7月に長男のランドセルを購入しました。
実は、親子とも最も気に入っていたのは、五十嵐製作所のランドセルでした。
しかし、結局、五十嵐のランドセルは諦め、他所のランドセルを購入することになりました。
今回は、
- 五十嵐のランドセルの種類
- 長所
- 短所(断念した理由)
をお伝えしようと思います。
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ランドセルの種類
五十嵐のランドセルは
- コードバン
- 牛革(ボルサ)
- 牛革(ボルサ プレミアム)
- 牛革(ボンジュール)
の4種類があります。
人工皮革のランドセルは取り扱っていません。
ボンジュールとボルサの違い
一般的な牛革ランドセルはボルサを使用していることが多いと思います。
五十嵐でもボルサの取扱が有りますが、子供が気に入ったのはボンジュールです。
生地感の違い
- ボンジュールはマット
- ボルサは艶有り
重量
- ボンジュール 1,300g前後
- ボルサ 1,350g前後
価格
- ボンジュール 56,000円
- ボルサ 58,000円
(ボルサプレミアムは60,000円)
デザイン上の違い
五十嵐のランドセルはボルサとボンジュールでデザインもかなり異なります。
上の画像がボンジュール、下の画像がボルサです。
以下でボンジュールとボルサのデザイン上の違いを私が気づいた範囲で挙げていきます。
※ボルサには、通常タイプとプレミアムタイプ(女の子用、ハート多用モデル)がありいますが、今回は通常タイプのボルサで比較しています。

ボンジュール 画像出典 : http://www.igarashi-kaban.com/bonjour319.html

ボルサ 画像出典 : http://www.igarashi-kaban.com/bolsa318.html
かぶせの隅(ステッチ)のデザイン
- ボンジュール・・・ステッチなし
- ボルサ・・・ステッチあり(かぶせの下辺の角が三角形になるようにステッチが入っている)
ランドセルの側面(大マチ)のデザイン
ボンジュールとボルサではイチョウのデザインが異なります。
ボンジュールは1本ステッチが多く入っています。
かぶせの鋲
写真からは非常にわかりづらいのですが、かぶせの鋲のマークも違います。
- ボンジュール・・・星
- ボルサ・・・クローバー
内装
- ボンジュール・・・男の子:マリン(一部カラーで内装ブラックも可) 女の子:リボン
- ボルサ・・・バイアスチェック
少しかわいらしいイメージの五十嵐のランドセルですが、ボンジュールであれば内装を黒にすることも可能です。
配色
- 共通・・・黒・ネイビー・赤
- ボンジュール・・・ローズピンク・チェリーピンク・黒×ブルーステッチ・黒×レッドステッチ・黒×グリーンステッチ
- ボルサ・・・茶・モスグリーン・ロイヤルブルー・カーマイン・ローズ・ピンク
ボンジュールはステッチの配色で個性を出しています。
ボルサはランドセル本体のカラー自体が印象的だと感じました。
女の子用はボンジュール、ボルサともベーシックなカラーです。
※女の子はボルサプレミアムに個性的なカラー(茶、スカイブルー、キャメル)にピンクステッチのタイプが用意してあります。

画像出典 : http://www.igarashi-kaban.com/order_form.html
その他デザイン
ボンジュールの場合は、星型モチーフが鋲以外の場所にも登場します。
- 底面の錠前上部の金具(星型に切り抜かれている)
- Dカン(星の形)
デザインの感想
全体的としては、以下のような印象を受けました。
- ボンジュール・・・遊び心があるデザイン
- ボルサ・・・ベーシック
完全に個人的な話ですが、子供も私もボンジュールのデザインがとても気に入っています。
五十嵐のランドセルの長所
デザインが子供の好みにあう
ランドセル選びは家庭によって様々だと思いますが、6年間子供自身が使うものですので、子供がいい顔をしないものは全て候補から外しました。
たとえば、中村鞄のランドセルはカラーリングが好みと違ったようで結局候補から外れました。
その点、ボンジュールに関しては、長男は一目見たときから気に入ったようでした。
用の美

出典 : http://www.igarashi-kaban.com/bonjour319.html
親として惹かれたのは、たたずまいの美しさです。
最近は、人工皮革でも牛革のような風合いをもったランドセルもあります。
また、ふくふくランド(ランドセル専門店)の店内には、他社製の牛革のランドセルも、数多く展示されていました。
単なる「牛革ランドセル」というレベルにとどまらず、200点を超えるランドセルの中で五十嵐のランドセルを際立たせるのは、そのたたずまいです。
特に側面から見たときの張りのある美しさ。
もちろん、これはデザインが美しいということもあるのですが、利点はデザイン面だけではありません。
縫い糸が革よりも上に浮き出ていると、糸が擦り切れるおそれがあります。
五十嵐のランドセルは、明らかにそのリスクが少ないことがわかります。
実績が物語る品質
都内100校の私立のうち20校が五十嵐のランドセルを採用しているといいます。
裏づけとなるデータの出典を示すことができず申し訳有りませんが、ランドセルの専門店ふくふくランドのスタッフから教えてもらいました。
都内20校のランドセルを任されているという実績が、五十嵐のランドセルの品質を物語っています。
全国的には土屋鞄等に隠れ、知名度が高いとは言いがたいのですが、決して有名工房系に劣るものではありません。
熟練の職人が一人で完成させるというストーリー性
工房系といわれるランドセルであっても、一般的にはランドセルの製作は分業制です。
しかし、五十嵐のランドセルは、分業制ではありません。
担当する職人がたった一人でランドセルを一から作り上げます。
まさに職人のクラフトマンシップにあふれる一品です。
個人的には、そこまでこだわりがない部分ですが、革製品が好きな方には、こういった「ストーリー性」は、たまらないようですね。
少し予算的に厳しいときに、お父さんやおじいちゃんに伝えると予算が増額されるかもしれません。
フィット感
五十嵐のランドセルは、体格の良い長男の身体にも無理なくフィットしていました。
数多くのランドセルを試着した中で、もっともきれいに身体に添ったのが五十嵐のランドセルでした。
五十嵐のランドセルが体が小さい子にはあわないというわけではありません。
まだ4歳(103cm・17kg)の長女もきれいに背負えていました。
フィット感が高いため、ランドセル(ボンジュールで約1,300g)を重く感じないと言っていました。
もちろん、ランドセルのフィット感というのは、一人ひとり違ってきます。
たとえば、一般的にフィット感が良いということで有名なのは「天使のはね」背カンです。
ですが、実際に試着してみると、長男は「天使のはね」タイプの背カンとは相性がよくありませんでした。
おそらく、「天使のはね」で設定してある立ち上がりの角度よりも長男の肩の厚みがあるため、浮いてしまったのだと思います。
これは、「天使のはね」が悪いというわけではなく、たまたま長男にはあわなかったということです。
あれだけ評判の良い「天使のはね」がしっくりこなかったということからも、フィッティングの重要性がわかります。
ランドセルの購入においては、この記事をはじめ、ネット上の評判や周囲の話を鵜呑みにせず、きちんとフィッティングしてみることを強くおすすめします。
ちなみに、五十嵐のランドセルは、「ニューウィング背カン」を使用しています。
ボンジュールの背カンに関する記述がHP上に見当たらなかったため、五十嵐製作所に問い合わせたところ、ボルサもボンジュールも使用している背カンは同じとのことでした。
価格と品質
牛革のランドセルを量販店で購入しようとすると非常に高額になります。
工房系のランドセルは直販で購入すると、量販店価格よりだいぶコストが抑えられますが、五十嵐のランドセルは他の工房系のランドセルの直販価格と比較しても、価格が抑えられているほうだと思います。
品質は折り紙つきです。
コストパフォーマンスには大変優れているランドセルだと感じます。
五十嵐ランドセルの短所
反射材
五十嵐のランドセルには、サイドにしか反射材がありません。
反射材については、色々な考え方があると思います。
我が家の場合は、以下のような理由から、低学年のうちから反射材が必要となる場面があると考えています。
- 通学時間が長い
- 学童を検討している
- 天気が悪いことが多い
よって、反射材がかぶせの部分にないのは大きなマイナスです。
ただし、反射材については、色々と探した結果、いくつか対応法があることが判明しました。
以下の対応が可能であれば、反射材にこだわる必要はないかもしれません。
反射シールを使用
五十嵐以外にも、反射材を使用していないランドセルを製作している会社もあります。
そういったランドセルメーカーの一つ、「池田屋」では、池田屋ランドセル用反射シールセットを販売しています。
反射材が必要となれば、こちらを購入するという方法もあります。
ただし、反射材とはいえシールですから、学校や担任の方針により、「シールNG」となってしまう可能性があり、注意が必要です。
反射機能付きランドセルカバーを使用
また、再帰反射機能付きランドセルカバー を利用することも考えられます。
ただし、近所にランドセルカバーを使用している小学生がいない場合は、 こちらも小学校からNGが出ている可能性があります。
また、禁止されていないとしても、目立つことをいやがって、子供が装着してくれない可能性もあります。
シールやカバーの利用については、小学校で明確な基準が設けられている場合は良いのですが、校長や担任に判断が任されている場合は、いざというとき利用できない可能性もあります。
よって、個人的には、やはりあらかじめ反射材が組み入れられているランドセルのほうが安心感が高いです。
サイズが小さい
五十嵐のランドセルを諦めた最大の理由は、A4フラットファイル対応ではないことです。
五十嵐のランドセルは、A4クリアファイル対応です。
そして、同サイズを採用している土屋のランドセルと比較しても、更に小さいのです。
- 五十嵐(内寸) 高さ:305mm 幅:220mm 大マチ:110mm
- 土屋(内寸) 高さ(最高部):31cm 幅: 22.3cm マチ:11.5cm
我が家の場合、
- 通学時間が長く、雨が多い(できるだけ手を空けておきたい)
- 小学校で持ち物を全てランドセルに入れるよう指導がある
といった理由から、やはり容量が大きいランドセルの中から選択せざるをえませんでした。
感想
反射材とサイズの問題さえクリアされれば購入をためらう理由はありませんでした。
主に通学時間の長さ(徒歩で1時間)から、上記2つは個人的にどうしてもゆずれない条件でした。
逆に言えば、学校が近いお子さんであれば、全くためらう理由はないと思います。
現在主流のサイズより少し小さくても良い、反射材も気にしなくて良いという環境にあるお子さんには、本気でおすすめできるランドセルです。
願わくば、2年後(長女入学)、5年後(次男入学)には反射材とサイズが改善されていますように。
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