個人的に、医療保険は必要はないと思っています。
詳しくはまた後日述べようと思いますが、医療保険はコストパフォーマンスが非常に悪い商品です。
医療保険料を貯金にまわしておくほうが将来への備えとしてはよっぽど有用です。
ただし、出産適齢期、かつ妊娠を希望・もしくは妊娠している女性には医療保険を検討する価値があると思います。
今回は、妊娠・出産を控えた女性におすすめの医療保険をご紹介したいと思います。
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出産適齢期の女性に医療保険をすすめる理由
「妊娠・出産」時の入院・手術の確率の高さ
第一に、妊娠にまつわる入院(自然分娩除く)・手術は実はかなり多いという事実が挙げられます。
例えば、現在、日本では、全出産における帝王切開の割合は20%です。
そのほかにも、切迫早産・切迫早産での入院、つわりや妊娠中毒症での入院、子宮外妊娠や稽留流産の処置等で手術になることもあります。
妊娠・出産そのものが母体にとってはかなりリスクの高い状況であることに間違いありません。
ただし、これらの事例では、公的保険(健康保険、高額療養費制度)が利用できるため、費用に関してはさほど気にする必要はありません。
個室代、食費等は実費がかかりますが、それ以外の健康保険にかかる自己負担分については70歳未満で一般的な所得の場合、月額8万円程度が上限となります。
帝王切開の場合などは、医療保険の戻りを考慮せずとも、普通分娩より安くすむこともよくあります。
妊娠中のストレスを軽減
実は、妊娠期に医療保険に加入することの最大のメリットは、妊婦のストレス軽減にあると考えています。
妊娠すると、ホルモンの関係でささいなことでも精神的に不安定になりやすくなります。
更に、母体のストレスは胎児に影響します。
妊娠中に、入院・手術が必要となった場合に、妊婦にかかるストレスは非常に大きなものになります。
生まれてくる子供の心配、入院中世話ができない家族の心配、自分の状態への苛立ちと不安。
それらのストレスの渦から、お金の心配というストレスだけでも取り除けることが医療保険加入の最大のメリットです。
女性特約に加入するメリットはなし
妊娠・出産適齢期に医療保険に加入する場合は、女性特約の加入も検討しようと思われるかもしれません。
しかし、女性特約は必要ありません。
女性特約とは
一般的な医療保険の女性特約は、女性特有の疾患にかかったときに、通常の保険金に上乗せして特約分の保険金が支払われるというものです。
当然、掛け金(保険料)は通常の医療保険で支払う額に上乗せになります。
女性特約がおすすめできない理由
この保険を私が評価できない理由は以下のとおりです。
たとえば、医療保険の保険金額が日額5,000円、女性特約の保険金額が日額3,000円という保険に加入したとします。
この場合、胃がん入院で日額5,000円、乳がんを原因とする入院なら5,000円+女性特約3,000円で合計日額8,000円が保険金として支払われます。
妊娠適齢期に医療保険の加入をすすめる主な理由は、「妊婦のストレス軽減」が目的でしたね。
ですので、妊娠・出産に全く関係のない病気(胃がん等)であっても、妊娠時に不安を感じないだけの保険金額に設定しておく必要があります。
「乳がん(8,000円)ならどうにかなる金額だけど、胃がん(5,000円)なら心もとない」、と感じるのであれば、この医療保険は、胃がんでも日額8,000円を受け取れる金額に設定しないといけないわけです。
逆に、「乳がんでも日額5,000円でどうにかなる」と感じるなら、あえて女性特約で補償を上乗せする必要はないことになります。
妊娠中、もしくは妊活中にかかる病気が女性特有のものである保証はありません。
「女性特有の病気」以外の病気にかかっても安心できるだけの保険金額を設定することが大切です。
そして、保険金額の設定さえきちんとしていれば、その上に女性特約をつける必要性はありません。
女性特約をつけていれば、女性特有の病気にかかった場合に保険金額が増額されますが、その分だけ保険料の負担も増えてしまいます。
妊娠予定・妊娠中の方におすすめの医療保険
では、具体的にどういった医療保険が良いのでしょうか。
妊活中・妊娠中の女性に最もおすすめできる医療保険(正確には共済)の一つとして、コープ共済の「女性コース」が挙げられます。
これだけ「女性特約」を不要としておきながら、「女性コース」を勧めるのには意味があります。
実は、一般の医療保険の「女性特約」とコープ共済の「女性コース」は全く別物なのです。
医療保険「女性特約」とコープ共済「たすけあい」女性コースの違い
医療保険の女性特約と女性コースの違いについて、具体的に解説します。
まずは、女性特約について簡単に復習します。
医療保険の女性特約
- 医療保険の保険料に上乗せして特約料金を払い、
- 女性特有の病気にかかった場合は通常の保険金に上乗せした保険金がもらえる
対するコープ共済の女性コースの特徴は以下のとおりです。
コープ共済の女性コース
- ベーシックコースと同じ保険料で
- ベーシックコースとほぼ同じ保障内容+女性特有の疾病に上乗せで保険金がもらえる
保障内容については後述しますが、同じ保険料であるにもかかわらず、病気死亡・重度障害の項目を除き、ベーシックコースと同額の保障か、もしくは、むしろ女性コースの保障額が高いのです。
その上で、女性特有の病気の場合は更に上乗せがもらえるという謎仕様です。
通常の医療保険女性特約とコープ共済「女性コース」の違い
コープ共済に関しては、ベーシックコースよりも女性コースのほうが圧倒的にコスパが良いので、コープ共済に加入するのであれば女性コースがおススメです。
以下、ベーシックコースと女性コースの月掛金(保険料)3,000円コースで内容を比較してみました。
ベーシックコース | 女性コース | |
月掛金 | 3,000円 | 3,000円 |
病気入院・事故(ケガ)入院 | 日額 5,000円 | 日額 7,000円 |
女性特定病気入院 | なし | 上記日額プラス日額3,000円 |
事故 (ケガ) 通院 | なし | 日額 1,500円 |
手術 | 3・6・12万円 | 3・6・12万円 |
長期入院(270日以上連続した入院) | 30万円 | 42万円 |
事故後遺障害 | 4~100万円 | 4~100万円 |
病気死亡・重度障害 | 300万円 | 200万円 |
事故死亡・事故重度障害 | 上記にプラス100万円 | 上記にプラス100万円 |
家族死亡・家族重度障害 | 1・2・5万円 | 1・2・5万円 |
住宅災害(火災等・風水害等) | 3・15・30万円 | 3・15・30万円 |
いかがでしょうか。
病気死亡・重度障害の項目を除き、女性コースが有利な設定です。
ちなみに、ベーシックコースは月掛金が3,000円と4,000円のコースしかありませんが、女性コースは月掛金が2,000円のコースも設定があります。
「女性コース」がおトクな理由
上で説明したとおり、「ベーシックコース」と比較して、「女性コース」の有利さが際立つ設定になっています。
コープの担当者の説明によると、組合員に女性が多いため、組合員の声を聞いて改善していく過程で、どんどん女性コースの保障が充実していったということです。
「ベーシックコース」「女性コース」に加入可能な人
これだけ女性コースが充実していると、女性コースに加入したいという希望をもつ男性も現れそうです。
しかし、現状では、女性コースは女性しか加入できません。
ちなみに、ベーシックコースは男女を問わず加入できます。
更に、ベーシックコースは54歳までしか加入できませんが、女性コースは64歳まで加入できます。
保障期間はいずれも65歳の満期日までです。
コープ共済は妊娠中でも加入可能
さらに、コープ共済は、妊娠中でも加入が可能です。
帝王切開一つとっても、5人に1人という超高リスクですから、通常の保険会社で無条件で妊娠中に加入できることはまずありません。
最近は、この話がネットで広まっているのか、既存のコープ組合員以外から加入の申し出もよくあるそうです。
コープ共済加入の注意点
コープの組合員にならないとコープ共済には加入できません。
(組合員になると、コープのお店でのお買物やコープの宅配が利用できるようになります。)
ただし、組合員になるには、出資金が必要になります。
生協により異なりますが、コープいしかわの場合は入会時に1,000円が必要です。
この出資金はコープを脱退するときには全額返金されます。
コープ共済 その他のメリット「割戻金」
コープ共済では、年に1回割戻金という形で、支払った保険料の一部が契約者に戻ってきます。
割戻金とは、「組合員から集めた保険料」が「支払った保険料総額」に比べて多かったときに、その一部を組合員に還元する制度です。
具体的な還元額は、その年の収入(保険料)と支出(保険金)の額により異なりますが、概ね保険料の20%程度です。
2,000円コースの場合で一月あたり400円程度の戻りがあるということになります。
ちなみに、この割戻金に関する取扱は、生協により異なり、
- 宅配等の引落口座に割戻金が振り込みされる生協
- 出資金に振り替え(増資)される生協
があるようです。
割戻金が増資に回った場合は、入会時の出資金と同じく、脱退時には全額返金されます。
また、脱会を考えていない場合でも、増資された出資金を取り崩して現金に替える(減資)ことも可能です。
減資は手数料等は不要ですが、手続きに数ヶ月かかることがあります。
ただし、増資自体は一概に不利な取扱とはいえません。
コープの出資金は銀行預金より有利な利率で運用されているので、利用しているコープの経営状況が芳しくない場合を除き、特に減資を急ぐ必要はないと思います。
コープ共済のデメリット
医療保険一般のデメリットはここでは割愛します。
コープ共済(を含む共済全般)のデメリットとしては、保障が一生涯続くような設定になっていないことが挙げられます。
通常の医療保険では加入時の年齢を1年刻みで細かく保険料を算出しますが、コープ共済では「20歳から64歳まで」というざっくりとした年齢のくくりです。
よって、満期(65歳)以降は、コースの変更が必要になり、保障のレベルが落ちます。
コープ共済は続ける場合でも最長で65歳の満期日までです。
それ以降、コース変更してまで加入を続けるメリットは低いといえます。
個人的には、一番良いのは、これ以上妊娠しないと決めた段階で解約することだと思っています。
(その時点で持病が判明しており、医療保険を使う可能性が高い場合を除きます)
コープ共済の加入方法
既にコープの組合員の場合は、コープの店舗や宅配の担当者で相談や契約が可能です。
組合員ではない場合は、コープ共済のHPから資料請求が出来ます。
電話からでも大丈夫です。
コープ共済 資料請求・相談(電話)
- 電話番号 0120-497-775
- 営業時間 9:00~17:00(月曜日~金曜日)/9:00~16:00(土曜日)
※祝日・年末年始は休み