【疑問解決】就学援助って?誰が受けられるの?どのくらいもらえるの?恥ずかしいこと?

就学援助、という制度をご存知でしょうか。

就学援助というのは、こどもの就学(小学校・中学校)に際して、経済的に困っている場合に、就学に必要な費用の一部を援助する制度です。

就学援助は、自治体により制度の中身が大きく異なる制度です。
よって、具体的な制度に関しては、お住まいの自治体に確認することが大切です。

とはいうものの、実は、ホームページ上に就学援助の詳細が掲載されていない場合もあります。
それどころか、制度の存在自体を積極的に告知しない自治体もあります。

そこで、今回は、就学援助の内容、もらえる金額、対象になる人、審査の方法、本当にもらってもいいのか恥ずかしいことではないのか、といったことについて、学校事務員歴30年の身内から話を聞いてきました。

参考になると幸いです。

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就学援助の中身

就学援助の中身や金額は、自治体によって異なります。
おおまかに、以下のような費用の援助が受けられます。

  • 学用品費
  • 給食費
  • 学校行事費
  • その他医療費等

これらの区分(用語)も自治体により異なります。

●学用品費

ノート、リコーダーなど、学用品購入にかかわる費用です。
特に、ランドセルや制服の購入が必要になる1年生時には費用が上乗せされることが多い費用です。

●給食費

就学援助の対象者は給食費が無料になる場合が多いようです。

●学校行事費

修学旅行や課外活動に伴う費用も援助が受けられます。

●その他医療費等

むし歯の処置など、特定の医療に関する医療費が補助対象になる場合があります。

就学援助でもらえる金額

就学援助は、定額支給実費支給があります。

例えば、学用品費などは一律で、1年間〇〇円、という形で規定してある場合(定額支給)がほとんどです。
一方、通学費等は実際にかかる費用が個別に計算(実費支給)されます。
そして、実費支給のうち給食費に関しては、保護者に対してではなく、学校に直接支給され、保護者は給食費の支払を免除されるという形をとることが一般的です。

では、具体的にどれくらいの金額が1年間で援助されるのでしょうか。。

●定額支給

特に、定額支給の場合、定額とだけ記載し、具体的な額に関してはホームページや保護者に渡す資料にも記載していない自治体も多くあります。

公開している自治体の一つに広島市があります。
下の画像は、広島市の就学援助の内容です。
具体的な金額は自治体により異なりますが、参考にはなると思います。

出典 広島市ホームページ | 就学援助

●実費支給(給食費)

ちなみに、広島市では、給食費は1食あたり小学生250円・中学生300円とのことです。
学校給食の実施日を年間190日と仮定すると、給食費だけで年間47,500円(小学生)~57,000円(中学生)の援助があることになります。

1年間に支給される合計額

小学校か中学校かにより、支給される基本額は異なります。

また、小学生と一口に言っても、新入生は新入学学用品に対する援助があり、6年生は修学旅行費が援助されるなど、学年によっても差が出ます。

小学校の場合、定額支給・実費支給あわせて年間で約10万円程度が援助される場合もあるそうです。

就学援助の基準

かようにありがたい就学援助ですが、全家庭がその恩恵に与れるわけではありません。
就学援助には認定基準があります。

認定基準は、自治体により、大きな差があります。
この基準もまた、公開している自治体と非公開(公開不十分)の自治体があります。

たとえば、東京都杉並区の場合の承認対象の定義は以下のとおりです。

杉並区に居住している児童・生徒と同居の保護者で、次のいずれかに該当する方

  1. 現在、福祉事務所の生活保護を受けている。
  2. 前年度4月1日以降に、生活保護が停止・廃止になった。
  3. 前年(1月から12月)中の世帯員全員の総所得金額の合計が、教育委員会で定める認定基準額以下の世帯。

  出典 : 東京都杉並区 | 就学援助制度

この場合、「教育委員会で定める認定基準額」が一番知りたい部分なのですが、残念ながら不明です。

この部分に関しては、本当に自治体によってかなり基準額が異なりますので、必ずお住まいの自治体の条件をご確認ください。

認定基準額一例 (広島市の場合)

以下は、例によって広島市の認定基準額です。

上の資料は、広島市が日本語に慣れていない人のために就学援助のシステムを紹介したページからお借りしました。
平易な日本語で、わかりやすく説明してあります。

認定基準額は絶対ではない

就学援助が受けられるかどうかは、多くの自治体では、世帯構成と所得に応じて決まります。

広島市の場合も、基準となる世帯人数と所得が表で示されていますが、これは、絶対的な基準ではありません
文中でも、「家族の中で働いている人の1年間の給料が下の表くらいのとき、お金をもらうことができるかもしれません。」と表現されています。

所得金額・世帯人数が全く同じ場合でも、就学援助を受けられる家族と受けられない家族が出てくることがあります。

たとえば、同じ所得額の5人家族でも、「両親・祖父母・こども一人」の場合と、「両親・こども3人(全員中学生以下)」の場合では、前者しか就学援助が受けられないことがあります。
就学援助の基準がはっきりとは示してないので確実なことはいえませんが、おそらく扶養控除の概念をとりこんでいると思われます。

であれば、16歳未満のこどもよりも一般扶養、一般扶養よりも老人扶養(70歳以上)、老人扶養よりも大学生世代(19歳以上23歳未満)を扶養しているほうが控除額が大きくなり、収入が基準より多くても就学援助の対象になる可能性があります。
また、障碍者を扶養している場合も同様に影響があることが考えられます。

さらに、前年の所得が基準額以上であったとしても、現在、世帯主が失職中の場合などは、就学援助が受けられることもあります

就学援助の説明時期・申し込み・審査方法

制度説明

就学援助の制度や基準については、入学説明会や入学式当日に説明・資料配布されることが多いようですが、場合によっては、ほとんど説明がない場合もあるようです。

説明がない場合は、自治体のホームページを確認しましょう。

申請・審査方法

多くの自治体では、学校に申請書類を提出、もしくは教育委員会に郵送します。
自治体側は、申請書類の世帯構成・年齢や申請理由、税務署から送られてきた所得額のデータをもとに判断します。

一部の自治体では、申請に民生委員の印が必要なところもあるようです。

就学援助の申請は恥ずかしいこと?

ここからは、学校事務員の身内のことばを紹介します。

就学援助を受けることは恥ずかしいことではない。
子育てにはお金がかかるもの。
必要だから制度がある。受けられる支援は活用していけばいい。

学校によっては、半数ほどが就学援助を受けている場合もある。
就学援助を受けることは特別なことではない。

就学援助のボーダーにいる場合・前年の所得額がよくわからない場合

就学援助の基準が示されている場合でも、ボーダー上にいる場合や、源泉徴収票を紛失した場合などもあると思います。

就学援助がうけられるかどうかがよくわからない場合は、ダメ元で、とりあえず提出してみるといいそうです。

また、特にボーダーライン上にいる場合は、たとえ、昨年は就学援助を受けられなった場合でも、申請することをおすすめします。

就学援助の基準は詳細まですべてが開示されているわけではないので、思わぬところで援助対象者に該当することがあります。

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【疑問解決】就学援助って?誰が受けられるの?どのくらいもらえるの?恥ずかしいこと?」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    よく恥ずかしいと申請しない方がいますが、申請せずに集金を出してくれない方がよっぽど教員は困っています。毎年何人もいるので、教員は全く気にしないそうです。

  2. みかん雪 投稿作成者

    コメントありがとうございます。

    予定日に入金がないと、督促の必要があるので、先生は大変ですよね。
    先生方の労働環境が劣悪だということが最近話題になっていますが、こういったことも影響しているのかと思うと残念ですね。

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